どう足掻いても光射し込む部屋で小説を読む俺の懐に君が潜り込んできてくれる瞬間なんてやってはこない、俺が何度輪廻しても君の唇に俺は到達できない、それが理性だった、それが唯一の契約だった、それだけが約束事だった、君を愛しても君とは一緒になれない、約束を破ったその亀裂からすべてが雪崩込んでくる、肉体のなかに地球最後の日みたいにすべてが爆発する、一日が終わる頃に俺はいよいよどうでも良くなって壊れはじめる、それでも君のきょうの姿を写真で見てしまえばまた鼓動し出す、きょうもまだ僕でいれた、君が君でいてくれたから、まだ僕が僕でいられるなんておかしいことだよ、きょうは仔猫を見たんだ、かわいかったなぁ、とてもかわいかった、もう、この世界にあいつだけしか愛しい存在なんて生き残ってなかったみたいだった、レオ!レオ!って呼び寄せる俺に少し近寄って、あいつ、俺が手を差し出した瞬間に、驚いて、白くて小さな体をふわふわさせてビルの透き間に逃げていった、ぴょんぴょん跳ねて、僕は君を思い出した、君を思い出した、