君から足を洗いたい、このまま君のすべてを見初めてしまうまえに、俺は君のかわいい命からあしをあらいたい、僕は君を愛することから足をあらいたい、この恋からあしをあらいたい、世界は美し筈だ、どうりで、どうりでこの世界は美しい筈だ、この世界には君がいるから、このきょうという日に君がいるもの、

手を尽くそう、できる限り、君をほとぼりへと逃がし、君の輝きを灰にして君へとかえそう、Kid Koalaが壊したMoon Riverの今にも月が川に墜落してゆくみたいな音で君と訣別しよう、君の頬に別れを告げよう、だって、その一秒先にはまた君の頬に出逢っちまって一目惚れちまう俺だから、君に一目惚れちまう俺だから、俺の病名は肺病じゃない、俺の病名は君が好き好き病だ、君なんだ、すべてが君がなんだ、理由なき犯行じゃない、理由ある犯行なんだ、すべて君だ、俺の理由は全て君だ、俺のわけ、俺がようがあるのは、この世界にようがあるのは、それが心音を邪魔して君への愛にかまけて俺はとうとう愛する化物を詩で課す、夕焼けが朝焼けに恋して闇がうまれるならこんなにも飾ろうか、君の白い息を、君の瞳のなかの乙女書斎の書き写しを、僕の心に、もうだめだよ、もうだめだ、君を想えば生きてしまう、グリフィスの映画のあの少女が鍵穴に装填して金槌で打ち撃った銃弾が永遠に世界を彷徨い軌道してる、あの花の銃弾がこの世界に女として生まれ咲いてしまった少女たちの怒りのように俺を貫く、まるで君の放った銃弾のように俺を貫く、閉ざされた扉、嫌がる君、会いたがる僕、君の姿を僕は鍵穴から覗こうとした、君はその鍵穴に銃弾を装填して金槌で打ち撃って俺に風穴を開けてくれればいい、それこそが正しいんだ、世界に秩序が舞い戻る、夜は朝を失える、些細な眩暈だよ、こんな夜、悲しくもない、こんな夜、痛くも寒くもない、ただ、君が美しいんだ、もうそれしか俺にはわからない、君は美しい、君を賛美するその証言台に永遠に俺は立ち続ける、それだけでいい、