リアルな君。
リアルな君にしか興味ないよ。
俺は弱いから、すぐに生身の君から盗んだ輝きを神話の乙女と錬金結合させてしまって悪魔的不正な君を創り出してしまう。

俺の部屋のなかで裸で彷徨く君。

悪魔。
君の胸のいちばん硬い場所のその絶壁でもいい。
どんなに恐ろしい現実でもいい。
リアルな君の呼吸だけが俺の幸福なんだ。

君の睫毛の原始に俺の乙女の神話を葬ろうか。

冬だね、

君、君は俺の姫、とどめぎみ、とどめ君。
冬だよ。

豪華絢爛な夕日の主催する光の着床を見過ごそう。
愛しい誰かがお嫁にさんに咲く頃、君はただ、こんなにも女の子で居てくれた。

君の乙女の暦だ、君の女の四季だ、君の季節が昏睡などしないように、俺は空になにを刺せるだろうか。

君がフィルムから帰ってくる頃に、俺は君の住む街に発つ。
君に向かって。