あなたに会える事に慄いている。戦慄している。恐くてしょうがない。あなたが恐くてしょうがない。あなたに会うために服を迷う事も、鼻の横にできた面皰を隠すための化粧品も、明日の朝、髭を剃らなかればいけない事も、なにかもかもがただ恐ろしい事でしかない。もしも、明日、あなたを見つめ、あなたに見惚れ、あなたに遠くから戦慄するだけではなく、あなたに触れ、あなたの瞳と見つめ合い、あなたの声と俺の声が応答し合うなんて瞬間にまで行けたとしたら、と、俺は奮えあがってる、君に俺は、戦慄してる、久しぶりに見た君の顔があんなにもかわいかったから、俺は君をはじめて見たかわいい女の子みたいに惚れなおした、俺は君に何度でも初恋できる、俺は君に何度でも一目惚れできる、すべての最後が最後じゃない、すべてのはじめてがはじめてじゃない、明日、あなたに会える事が恐ろしくてしょうがない。