君を愛し過ぎたのかもしれない。
(君は愛されすぎる事はないのよって歌ってくれたね。あの時、俺はどんなに澄んで君を愛し過ぎてしまいたいと願う事ができたろうか)
君を見つめ過ぎたのかもしれない。
(ずっと俺は君を凝視してしまった、瞬きの瞬間に君を見失ってしまう事こそが大切だったはずなのに。)
これからは君を愛する事の残り滓でしかないのかもしれない。
初恋永久帰還のときめきも終着駅の砂糖模型を溶かし見つける事もなく、切れ端のように逃げる髪、ほつれ糸のような瞳の残像、
生まれたての愛じゃない、二人はもう大人だ、君に見惚れた俺の時間は吹き去ってゆく、俺を惚れさせた君の時間も過ぎ去ってゆく、キャンディの溶け橋で遊べる年頃でもなくなる、空の重曹で花を梳き植える白夜の利子が二人に降り注ぐだろう、娘。で居た君とその君を讃えたその共犯への時限高裁どもが一斉に攻めてくるだろう、ねぇ、愛しい君、俺たち、人になろうか?、両足でこの地に立つんだ、君は地球に騎乗位する事ももう許されないなら、俺が君の唇に滲み溢れる詩を拭い見つける宇宙を許されないなら、ただの人になろうか、ただの人に、ヒューマン風情に。

ああ、すべては君の輝きにかかってる。
この宇宙よりも大切なのは君の胸の中心に透明咲くその花だ。

俺を君に留まらせてくれ、人情神風船なんかじゃなく、腐れ縁なんかじゃなく、無縁の美しさで、無償の惚れ毎秒で、君に征服されたい、君に君臨されたい、ずっとだ、ずっと、